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施工前
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ベランダのサイディングに物干し竿受け金物を取り付けたそうですが、施主様の希望する位置と異なったために取付直すことになりました。
取り外すことで現れた穴をふさぎ、周囲の凹凸模様と色に合わせて修復することが弊社に与えられたこの度の仕事です。
穴の周辺は下地と塗装の塗膜が剥離しやすいので、まずは低粘度の接着剤で塗膜の剥離を防ぎます。
穴の周辺を強固にしてから穴をふさぐのです。
今回は凹凸模様が大きいので、穴をふさぐと同時に模様もつけなければなりません。
それをエポキシ系の粘度のようなパテで作っていきます。
その前に、穴の部分にパテが乗っかるようにベースを作ってやります。
不織布と接着剤でFRP状のベースを穴の中に作るのです。
前回の人工大理石のキッチンカウンターの補修にも活躍した不織布です。
そうすることで接着剤とエポキシパテが穴の中により深く入り、強度的にも強くなるのです。
凹凸模様はエポキシパテが硬化するまでに作り出さねばなりません。
このあたりの仕事はセンスです。
センスと言っても、
「こんな道具で、こんな感じに形作って削り取れば、似たタッチになるかな。」
くらいのものですが、、、、。 |
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施工後
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エポキシパテで形ができれば、ポリエステルパテで表面を滑らかにしてやります。
そこまでできれば後は塗装です。
シーラーを塗布してから、調色したアクリルウレタンを部分的に吹き付けぼかしてやります。
一度吹いては色の調子を見て、微調整の調色をします。
2度ほど微調整すればそこそこの色ができてきます。
写真には写っていませんが、今回のものは小さなザラザラの骨材が塗膜の中に入っているので、アクリルウレタンを塗装するときにその骨材が必要になりました。
でも、前もって聞いてはいなかったので、当日はそのような骨材を用意していませんでした。
どうしたかって言うと、隣の空き地の砂が役に立ってくれました。
粒子の大きさが同じくらいの砂をより分けて使ったのです。
骨材の代表である硅砂も天然に産出される無機質の砂ですから、隣の空き地の砂も無機質の材料として強度や耐久性は変わりません。
強度や耐久性に問題がなければ、こんなやり方も有りですよね。 |
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施工前 |
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サイディングにヒビが入っています。地震や震動などで割れが入ったと思われます。
メーカーは補修用塗料を用意してくれています。釘頭を塗ったり、新設後にキズが入ったところを補修するためのものです。
その補修用塗料は、たいていは色が合っているものですが、それは新しい製品の色に合わせてあります。
この場合は築10年の物件ですから、経年変化で塗料の変色やチョーキング(注1)が起こっています。メーカーの補修用塗料では色が合いません。 |
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施工中 |
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割れた部分には低粘度の接着材を含浸させて割れの周囲を固め、その後エポキシ系パテで模様のパターンを作り出しました。
形成後にアクリルウレタンで周りと違和感がないように調色して部分的に塗装しました。
(注1) チョーキング(Chalking)
チョーキング(Chalking)とは日本語では白亜化(はくあか)とも言い、主に塗装表面が暴露状態の際に紫外線・熱・水分・風等により塗装面の表層樹脂が劣化し、塗料の色成分の顔料がチョーク(白墨)のような粉状になって顕われる現象や状態をいう。
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施工後 |
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サイディングは左官仕上げやモルタルの上に塗装で仕上げた外壁よりも耐久性があるといわれています。半永久的などと表現される場合もあるようです。
確かに、雨水などが駆体本体に廻りにくい構造であるとは思います。
ですが、表面の仕上げは塗装ですから塗膜が劣化するのは同じです。今回のように立体的な模様がデザインされている場合は、形状の弱い部分に振動による亀裂が走る場合もあるのですね。 |
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施工前 |
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サッシのキズほどではありませんが、金属の修理としてはよくあるのです。
家の外部を見てください。
通常、地面から40から50cmモルタルの基礎が立ち上がっていますね。
そのモルタルの基礎とサイディングや塗装である外壁との間に、金属でできた部材が建物の周囲を回っていませんか。
それを土台水切といいます。
工事中足場の上から何かが落下したり、足場を取り外すときに当ててしまったりしてへこむことが多いようです。 |
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施工中 |
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サッシを修理する業者、サッシを専門に修理をする業者も水切は修理してくれないといった声をよくお聞きします。
サッシの塗料は調色された塗料が市販されているので、サッシのメーカー名と色番号が分かれば使う塗料が決定されます。
使う色が出来上がっていますので、現場で調色する必要がないのです。
ですが、水切などは決まった補修塗料がありませんので基本的には現場調色です。
現場で調色ができるか否かで対応が違ってくるのだと思います。
弊社は現場で調色しますので、水切だけでなく門柱やフェンス等も修理します。
そういえば、何度かスチール製の物置まで修理したことがあります。
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施工後 |
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ただし、水切自体が薄い部材の為へこみも大きいことが多いので、普通のポリパテだけでなく板金パテ等もを使うことがよくあります。
パテは付ける厚みに合ったもの、目的や用途に合ったものを使わないと後で衝撃を受けたり何らかの力がかかった時に、パテが割れたり剥離したりする等不具合が起きることがあります。
ただ綺麗な仕上がりだけでなく、塗り重ねて見えなくなってしまうところにも意識を持っておかないと耐久性が違ってきます。
「大切なものは目に見えないんだよ。」って、星の王子様にあるのですよね。
仕事の時はこの言葉を肝に銘じるようにしています。
仕事以外の時にも、、、平易ですが深い言葉です。 |
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施工前
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施工中
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サイディングのヘコミ |
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施工後
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パテ形成・アクリルウレタン仕上げ |
施工前 |
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施工中
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サイディングの配管用穴 |
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施工後
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パテ形成・アクリルウレタン仕上げ |
施工前 |
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施工中
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サイディングのヘコミ |
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施工後
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アクリルウレタン仕上げ
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