【有限会社ムエン工房】家具・建材・住まいの補修・修理、玄関や浴室に防滑・滑り止め施工

　　特殊塗装

【エイジング塗装】

施工前

エイジング塗装です。

エイジング（エージング、英: aging, ageing）。
意味は「老化」「加齢」。

エイジング塗装とは
「あたかも時が経過することによって建築物などが変化したかのように見せる塗装技術のこと」
です。

写真スタジオのセットになります。

写真館や写真スタジオといえば、バックに大きな布などを垂らして撮影をするといったイメージを私は持っていました。

こちらの写真スタジオでは、このような雰囲気のある什器や建具を用いたセットを設けています。

これらをバックにお見合い写真、家族写真、記念写真を撮るというわけです。

すると、布をバックに撮った写真よりもより生き生きと写るのです。

本当に被写体が輝いて見えます。

「美しい人はより美しく・・・・」って、昔フィルム会社のコマーシャルにありましたね。

施工中

施主のご希望で、ホワイト、ライト色、ダーク色の三色の建具を作ります。
美しいスプルースの柾目で建具屋さんが作ってくれました。

綺麗な仕事をしてくれた建具屋さんには申し訳ないのですが、塗装にかかる前に建具の角を丸めたりつぶしたり、えぐったりと新しく見える感じをなくしていきます。

立体的に新しさをつぶしてから塗装にかかるのです。

この度の施主のご希望は建具の色と、立体的な塗装です。

平面の古めかしさだけで無く、立体感を要求されています。

光と影を写し出す写真スタジオですから、立体感が大事だということなのでしょう。

少し不自然さはありますが、まずは多少オーバー目に粘度のある塗料で凹凸を作っていきます。

それから、全部の色が同じように見える訳ではないのですが、下から透けて見えて欲しい色を置いていきます。

施工後

その後メインの色を塗り、乾きを見ながら削ったり引っ掻いたり。

その後は、数種類の塗料や絵の具やパウダーを使って調子を整えます。

何処で手を止めるのか探りながらです。

「これでよし！」

で、最終にウレタンのつや消しクリヤーをスプレーガンで吹いて仕上がりです。

これらの建具をバックに写した写真を早く見せて戴きたいものです。

4月になったらスタジオにお邪魔することにしましょう。

【ピアノ（黒鏡面塗装）キズ修理】

施工前

鏡面仕上げの写真なので、写り込みによって施工前も施工後ももうひとつ分かりにくいと思いますが、黒色鏡面仕上げのピアノのキズ修理です。

天井に付けてある照明器具の取り外しの際に、誤ってピアノの上に落下させてしまったそうです。黒塗りのピアノの屋根と鍵盤蓋に傷が付いています。

久しぶりのピアノのキズ修理です。が、キズがあまりにも多すぎます。しかも平場にキズが付いてしまっていますので、お客様宅で修理するとなると少々やっかいです。
二人がかりで部屋を養生しました。工程は塗りの床板などと同じです。

気を遣うのが埃です。少し塗膜の上に乗っかる程度ならいいのですが、塗り込めてしまってはいけませんので塗り厚も薄い目です。
できるだけ乗っかる埃をなくす為、塗膜を研いだ時に出る粉や空気の流れに注意しました。

幸いにも埃が少なく塗膜を研ぎ破るほど研磨する必要がなかったので、何とかその日の内に仕上がりました。

施工後

でも、見落としがちなのは自分自身です。
自分自身に埃が付いていることが多いのです。塗装時には自分が塗装面にかぶさるのですから、自分自身に付いた埃が落ちないようにしなければなりません。

以前漆を塗っていたときは、最後の塗りの前には、前日に普段の掃除に加えて天井・壁・床を水拭きしました。
翌日、風呂に入った後、髪の毛が乾かぬうちに全裸に近い状態で塗り場に入ります。できるだけ自分の身体に埃を付けず、また、身体に付いてしまった埃ができるだけ空気中に舞わないようにする為です。そして埃を立てないように体勢を低くして塗り場に入っていきました。

今は現場でも工房でもシビアな塗装の場合、静電気の起こりにくい塗装服を作業着の上から着用し、全身をブロアしてから作業にかかります。

「誇り高き職人」には「埃」は不要ですから。